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理事長近影  

新しい時代と社会を切り開く
新島学園

理事長 大平良治


1.間もなく創立70周年を迎える新島学園

 新島学園は、2017年(平成29年)に、創立70周年を迎えます。

 1947年(昭和22年)、日本が15年にわたる戦争に敗れ、国民は虚脱状態にあり、食べることにも事欠く混乱と社会の中で創立されました。

 安中教会で第1回の入学式が行われ、中学1年生45人、中学2年生37人が入学しました。

 私は7期生で、1952年(昭和27年)4月に入学しました。校舎を初め、施設は現在のように整備されていませんでしたが、中学校及び高等学校併せて約450人の生徒が、毎日礼拝で賛美歌を歌い、聖書を読み、祈りを捧げていました。先生と生徒が一緒になり、スポーツに汗を流していました。

 間もなく、創立70周年を迎えようとする今、新島学園は同窓会、地域根笹会のご支援とご協力の下に順調に推移し、発展しています。短期大学は昨年、創立30周年を迎えることができました。心からお礼と感謝を申し上げます。

 

2.地域に根を張り、葉を繁らせている根笹会

 新島学園中学校・高等学校は、開学当初から、県内各地域や県外からの生徒が来ていました。公立のように地域限定の学校ではありませんでした。

 一昨年には埼玉根笹会が、昨年には軽井沢根笹会が誕生しました。また、本年4月には吾妻根笹会がスタートしましまた。これで、県内外の地域に10か所の根笹会ができました。

 県内には、80を超える公立高校と10を超える私立高校が存在していますが、このように多くの地域同窓会がある高校はありません。

 卒業生が、それぞれの地域にしっかりと根を張り、その木が大きく豊かに葉を繁らせている証拠です。地域の根笹会の会長さんを初め、会員の皆さんのご苦労とご努力の賜物であると同時に、本部同窓会のご支援のお蔭です。心から敬意を表し感謝いたします。

 

3.今、地方や地域重視の時代

 「人口減少・超高齢社会」の急速で本格的な到来はグローバル化の影響により、地方や地域が衰退し、解体・崩壊の危機にあると云われています。

 5月の初旬にショッキングな予測が発表されました。それは、今、全国に約1800の市町村ありますが、このまま地方の人口、特に20代、30代の女性の人口が減少すると、2040年には、896が「消滅可能市町村」になってしまうというものです。

 この将来予測は大きな影響を与えています。

 政府が日本の人口が1億人を割り込まないようにするための対策を発表しました。群馬県も対策本部を設置しました。また、新しく内閣に地方創生担当大臣を置き、地方の創生と活性化に向けた取り組みを始めました。
今、地方(地域)が重視されています。

 新島学園の建学の精神の基である新島襄は、1882年(明治15年)7月に、原市において「地方教育論」という講演を行っています。

 その要旨は、地方を担い支える人材は、地方の人たちがみんなで育てるべきである、ということです。地方の人材を養成するための学校は公立ではなく、地方の有志が設立し、相応しい人を選んで経営に当たらせるべきである、と述べています。
地方を創生し、再生するためには、それを担い支える人材が不可欠です。

 新島学園中学校第1回の入学式において、江川栄校長事務取扱は、「新島先生のいわゆる『良心を手腕に運用する人物』が、多くここに起り来って、祖国日本を再建し、また東洋を興さんことを。本学園は、単にその小さき揺籃(ゆりかご)とならば足りるのであります。」と言っています。

 今、地方や地域が崩壊の危機にあり、その創生が叫ばれている時代の中で、地方にある新島学園の存在の意義が問われているのではないかと考えています。

 

4.新しい時代と社会を切り開く人材の養成をする教育を目指す

 日本の社会は今、新しい時代と社会を迎えたと云われています。1960年代の半ば以降の工業化の時代(都市型社会)から、1990年代(平成の時代)に入ると、ポスト工業化の時代(情報社会・知識基盤社会)に移行したと説かれています。

 また、日本は「人口減少・超高齢社会」や「グローバル化社会」が到来し、あらゆる分野に大きく激しい影響を及ぼしています。

 私は、新島学園は建学の精神と67年間にわたる教育の歩みから見て、新しい時代と社会を切り開き、それを担い支える人材を養成する教育に最も相応しい学校であると確信しています。

 ポスト工業化社会の人間は、「規格標準型」「依存型」ではなく、「自立・自治型」「良心に溢れた」人間(人材)が強く求められます。
これから新島学園は、歴史・伝統と特色を生かして「地の塩・世の光となって、世界を友として活躍することのできる」人間(人材)の養成を目指して、創立100年も見据え、私たちを待ち受けている環境の厳しい変化をのりこえ、これからも発展を続けていきたいと考えています。

 


新島同窓会報「根笹」

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