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理事長近影  

改めて『新島学園のキリスト教教育』を考える

学校法人新島学園 理事長 湯浅 康毅


 2015年度より学校法人新島学園の理事長を務めさせていただいております湯浅康毅と申します。同窓会の皆様、改めまして宜しくお願い申し上げます。

 この度は2018年度新島学園中学校・高等学校同窓会会報『根笹』発刊誠におめでとうございます。

 立見会長様はじめ同窓会の皆様には日頃新島学園へのご支援・ご協力を賜り、また一昨年から取り組んでおります創立70周年記念事業へのご理解・応援を頂戴致しまして心から御礼申し上げます。


 お陰様でこの度は学校の周年記念事業としては大変珍しい三か年という多年度に亘って計画・実行させていただきましたが、皆様のお力添えにより予定した事業はほぼ終了することが出来ました。改めて心から感謝申し上げます。

 今後は、昨年の記念式典で提唱させていただきました『NIIJIMAGAKUEN GRAND DESIGN 2027/木を育てる』の基本方針を基に、今回関わる多くの皆様のご協力により記憶に刻んだ70周年記念事業を礎とし、今後10年間の歩みを新たな新島学園の木を育てるステージとして位置づけております。建学の精神である新島襄により蒔かれた一粒の福音の種が140余年経った現代においてもその教えが脈々と続き、この節目の時に新たな新島学園の種を蒔くことによって新たな芽が出、それらが育ち木となり、林となり、良心の空気を育む森へと育っていくことを望み真摯に歩んで参りたいと思います。

 この中で私は現在『新島学園のキリスト教教育』について学び直している途中です。今回は新島学園創立70周年記念事業最後の年を迎えるにあたり、改めて原点に立ちかえり『新島学園のキリスト教教育』を受けた者が現在理事長として何を思い、これからその体験をどのように活かしていきたいのかを述べさせていただきたいと思います。


 私は今から30年前に群馬県安中市にあり、本学の教育の基である新島襄の精神を元に設立された新島学園中学校・高等学校を卒業しました。

 また私は幼少時より地元のキリスト教系の幼稚園で育ち、小学生になった時には同じ園内に建つ古い石造りの教会や敷地内の建物で毎週日曜日に開かれる教会学校に通い、牧師、先生、アシスタントのお兄さん、お姉さんと一緒に聖書のお話しを聞いたり、讃美歌を歌ったりして育ちました。

 その後新島学園中学校に進学することになるわけですが、私にとって新島学園で学ぶ中で非常に親しみがあったのは教会の牧師さんが新島学園の宗教の先生であったり、教会学校で一緒に遊んでくれたお兄さん、お姉さんが先輩としていたり、同級生が牧師さんの息子であったりしてまるで教会学校の延長線のように感じることが出来たことでした。

 そして今でも忘れない思い出として、新島学園中学校に進学した後、今から33年前のクリスマスに中学3年生だった私は幼少時より慣れ親しみ、両祖父母や両親も信徒として通う地元の教会『安中教会』で洗礼を受けクリスチャンとして歩むことを始めました。何故自らクリスチャンとして歩むことを選んだのか、明確な答えは言葉として浮かばないのですが、ただ一つ言えることがあるとするならば『導かれたことを感じた』ことであります。

 思春期真っただ中にあった私は生き方について試行錯誤していく過程で、ふとこれまで生きてきたことは自分だけの力でなく、多くの人の思いや祈りによって支えられ、その先にある神を信じる心・信仰という見えない存在に自然と触れていたことを改めて肌で感じることが出来たことであり、私の現在の愛唱聖句『コリントの使徒への手紙Ⅱ4章18節(新約聖書)』にある通り『見えないものに目を注ぐ』の如く、幼少期からの決して目には見えない精神的なキリスト教の原体験が大きく私に影響していたことを確認できた出来事でありました。


 新島学園のキリスト教教育に触れて育ったことで改めて感じることは、この目に見えない独特の空気または環境というものが、この地において代々先人たちより脈々と受け継がれてきているキリスト教のスピリットだと思われることです。

 『新島学園のキリスト教教育』の起源については明治7年(1874年)が大変重要な年となると思っています。国禁を犯して自由と人権を求めてアメリカにわたり、10年間の学びの後宗教家・教育者として帰国の途に就いた新島は両親の暮らす上州安中に向かい再会を果たしました。その時新島は同時にキリスト教の伝道活動に当地より臨むこととなり、このことが新島襄による福音の種が初めて蒔かれた土地が上州安中であるという記念すべき出来事でありました。

 新島の話に感銘を受けた地元の有志達はその後聖書の勉強を行いキリスト教への理解を深め、その後明治11年(1878年)3月31日晩に地元の醤油醸造元・有田屋3代目当主である湯浅治郎が設立した日本初の私設図書館『便覧舎』2階において地元の求道者男子16名・女子14名計30名が新島襄司式の元、洗礼を受けました。ここに群馬県で最初のキリスト教教会であり、日本人の手により設立された日本で初めての教会『安中教会』が設立されることになります。

 新島学園は終戦後の混乱期である昭和22年(1947年)5月5日に新島襄父祖の地に誕生することになります。

 第1回の入学式は新島襄所縁の『安中教会』において初代校長事務取扱であり安中教会第7代牧師である江川栄先生により挙行されました。

 この記念すべき日を迎えるまでの長き間、世代を超えつつも地元の求道者を主体とする金蘭青年会の熱い思いと祈りにより新島襄の教えを元にキリスト教精神に基づく教育を行う学校設立への機運が高まり、第二次世界大戦や敗戦後の混乱期、幾多の障害により設立が長引きながらも、日本人の手により生まれた日本で初めての自治自立のキリスト教会『安中教会』が設立されてから69年後に新島学園は産声を上げることになり、またその36年後の昭和58年(1983年)に新島学園女子短期大学(現・新島学園短期大学)が開学しました。

 新島襄が日本で初めてこの地に福音の種を蒔かれてから今年で144年を迎えます。新島学園が生まれた上州安中では、新島襄の教えを無形の財産としてこの地に暮らす信者が代々育み、守り、成長させていきながら手渡しで人から人へその精神を受け継ぎつつ、長い時間を経て現在も『新島学園のキリスト教教育』として本学でも大切に育まれ続けております。

 新島学園はこの特徴的な上州の文化・風土・源流の中にあってこれまで非常に重要な存在として用いられてきており、これからも新島襄の教えを述べ伝える川上の存在として益々活かされようとしております。


 学校法人新島学園は昨年創立70周年を迎えました。そして今年2018年は志を共にする新島学園短期大学が創立35周年を迎えています。

 ここで大切なのは単に学校が設立されてから70年経ったことに対してお祝いをすることだけではなく、この70年の歩みの原点には、明治7年(1874年)に新島襄が上州安中の地に帰郷し、福音の種を蒔き、その後一日も絶やさずキリスト教の教えが代々育まれ続け昭和22年に設立されるまでの約70年という『目に見えない根の部分』があってこその創立70年であると思うのです。

 そしてこの70年の歩みの中の半分を新島学園短期大学が担い新たな伝統を今も高崎の地で育み続けております。新島学園が生まれるまでの70年とこれまで歩んできた70年、合わせて約140年間、建学の精神である『新島襄の精神』を育んできていることを意識し心に留めることに大きく深い意味があると思っています。そしてこの節目の時に新島学園の役割が益々社会から問われる時であると認識しています。


2018年度新島学園オートキャラバン隊プロジェクト/
753太ゼミ:Automobile at K4-GP 2018 FUJI 500km
学校法人新島学園公式YouTube

 

 私はこれまで以上に新島学園の理事長として、新島襄が約140年前に上州の地に蒔いた一粒の種を先人たちの信仰の力によって育み続けている目に見えない精神を大切にし、イエス様の例え話のように『種を蒔く人』として種を蒔くことと同時に種を受け止める大地をも備えていく責務があると思っております。

 これから『新島学園のキリスト教教育』の学びの中で私も皆さんと一緒に成長していけたらと願っております。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。


新島同窓会報「根笹」

新島学園中学校・高等学校 新島学園短期大学