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恩師探訪
『新島学園同窓会の立役者』
岡 賢 先生

第32期生 星野伸樹


 8月12日の午後に岡賢先生のご自宅におうかがいいたしました。学園の5期生でいらっしゃる先生は草創期の新島学園で学び、大学を卒業してすぐに奉職されました。【新島学園の発展】をまさに体験し、目の当たりにされています。『新島学園のことで、知ってることは何でも話すよ』と豪快に笑うその姿は、さすがの親分肌。いつも通りのウイットに富んだ語り口で、あっという間に2時間が過ぎました。


 私も生徒だった時代から、かつての体育教官室に多くの卒業生が集う姿を目にしておりました。そして、ここが実質的な同窓会室であることをなんとなく感じておりました。そこを舞台に語られる、代々の同窓会長の思いやその活動が結実し、徐々に現在の姿になっていくお話は、まさに【新島学園同窓会長列伝】といえるものでした。私たちにとっては、まさに学園同窓会成り立ちの歴史物語であり、当時のバンカラな校風を知るOBの方々にとっては、涙が出るほど懐かしい体験談だろうと思います。

 また、なんといっても『ソフトボール部創部』の裏話は、非常に興味深いものでした。当時はサッカー部の黄金時代で、全国大会で3位になるなど全国レベルで大活躍でした。そうした中での船出ですから、選手はもちろん先生ご自身にもサッカー部に対してのライバル心が強くあったそうです。創部当時のメンバーは、岡先生が評するに『多士済々で怖いもの知らず』、強豪校相手にも全くひるまずに向かっていったそうです。創部2年目での全国優勝も、そうした特徴を生かした戦略が功を奏した結果だと思います。まさに今年度(2019年度)ソフトボール部はインターハイで14年ぶり6度目の優勝をいたしました。こうしたメンタルの強さは、今に続く新島学園ソフトボール部の伝統として脈々と受け継がれていることをあらためて感じました。


 こうしたお話を語る岡先生は終始にこやかで、『新島学園の関係者に支えられていた』と話されていました。実際に学園の関係者や卒業生は様々なところで活躍をしており、その多様性こそが新島学園の最大の魅力であり、強さなのだと思います。実は、先生は昨年大きな手術をお受けになりました。術後の経過も良好で、今では全く問題なくお過ごしです。その時の執刀医が、偶然にも新島学園の卒業生で、しかもソフトボール部のOBだったのだそうです。おそらく執刀医の方も大きな緊張感とともに、心に残る手術だったのではないでしょうか。

 先日ご連絡した際に、心配する奥さんをはじめご家族のために、自動車運転免許証を返納したことを語っておられました。今回そのことをおうかがいすると、「自宅は鉄道の駅が近く、自転車があればことが足りる」「他人から言われる前に自分が乗らないことを決断し行動することが大切」と語っておられたことが、いかにも岡先生らしく印象的でした。

 ご自身の輝かしい経歴には全く触れずに、学園を愛しその成長のプロセスを笑顔で語るその姿にお人柄を感じずにはおれませんでした。そして、そうした姿がソフトボールを通じて全国的に、いや世界的に岡先生の信奉者が存在する所以だと思います。いつまでもお元気でご活躍いただけることをお祈りしております。


新島同窓会報「根笹」

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