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コロナ禍にあっても新島学園の営みは進んでいきます新島学園中学校・高等学校 校長 古畑晶 |
新元号令和になって２年目に入りました。根笹会の皆様は、お元気でお過ごしでしょうか。新型コロナウイルス感染が広がり、健康的にも、経済的にも大きな打撃を受けた年となりました。皆様方の安心・安全をお祈り申し上げます。
安倍元首相の緊急事態宣言を受け、新島学園中高も３月から休校がはじまりました。卒業式は、礼拝堂で人数を制限して何とか行うことが出来ました。中学校から入学の生徒は６年前に、高校から入学の生徒は３年前に礼拝堂で入学式を行いました。規模を縮小したとはいえ、何とか卒業生を礼拝堂から送り出すことが出来ました。
コロナ感染も、１カ月くらいで収束するだろうと思っていたところ、さらに感染が拡大してしまいました。４月の入学式では、校長の祝辞を新入生が各教室で、しかも放送で聞くという事態になりました。登校日は設けたものの、その翌日から休校が再び続きました。先生方も遠隔授業の準備をはじめ、いろいろな技術を駆使して課題を配信していました。ＩＣＴ環境が飛躍的に、伸張していきました
６月に入り、分散登校、短縮授業開始など平常の授業に近づいてきました。また、クラブ活動も制限はあるものの、再開されました。ただ、平時であれば行われる数々の行事が、中止あるいは延期に追い込まれました。
９月になって、やっと少しずつ行事が行われるようになりました。９月に行われた行事を２つほど紹介します。
一つ目は、９月29日に新・新島ファームのお披露目があったことです。
群馬テレビやラジオ高崎でも紹介されました。２年前まで、初代新島農場がありました。中学生やインターアクト部の生徒が中心となり、大豆の種まきや収穫をし、お醤油や納豆を作ったそうです。しかし、畑の返却をしなくてはならず、農場が一時ストップしていました。
ところが、昨年ご近所の農家さんが使っていない畑があるのだけれども、学園の教育の為ならと広い畑を貸してくれました。だいぶ長い間畑は使われていなかったので雑草が１メートルくらい伸びていました。雑草を取り除き、良い畑にして行くにはどうしたらよいのかを考えた末、有機農法を行うのが土地にも、自然にもよいという結論に達しました。しかしながら、雑草を砕いて肥料にする農法で、手間と時間がかかります。
それでも、何回かトラクターで土を耕し、今年９月に入りやっと保護者やロータリークラブの方々、先生方生徒の皆さんと一緒に菜の花を植えることが出来ました。なぜ、菜の花かというと、土を肥やすために菜の花を植え、菜の花から菜種油をとり、その油かすを肥料にするのです。これは、新島学園５原則の「勤労を尊び、天然資源の利用を学ぶ」という教えを実践するものです。
来年の４月には農場いっぱいに菜の花が咲き乱れることでしょう。新島学園から磯部に向かって１００メートルほど行くと左手に紫色の新島ファームの看板が見えます。ぜひ、菜の花が咲いたら皆さんに見ていただきたいと思います。
二つ目は、９月22日から24日まで行われた高校２年生の東北修学旅行です。
主題は、「震災学習と歴史探訪」となりました。震災学習では、名取市閖上・女川町・石巻市の３カ所に分かれて語り部の方のお話を聞きました。震災から９年もたつのに、建物も人々の心も元のようにはなっていないことを話してくれました。そのような中でも、この経験を未来の人たちに伝えようと、いろいろな形で活動している人たちがいるのです。その日宿泊した南三陸のホテル観洋も、被災し半年間もの間、被災者の方々を収容したそうです。
翌日、平泉の中尊寺を見学しました。金色堂をはじめ、三千余点の国宝・重要文化財となっている平安仏教美術を見学しました。「平泉 ―仏国土（浄土）を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」としてユネスコの世界文化遺産に登録されているそうです。
最終日は、仙台での自由行動・松島の島巡りなどを楽しむことができました。台風が近づき天候が心配された中、すべて守られ無事帰ってくることが出来ました。また、２週間の観察期間を経て異常の無かったことを神に感謝いたしました。
長い歴史の中で、今年のように疫病のために多くの人の命が奪われ、多くの人たちが苦しみ、制限された空間での生活を強いられことは滅多にないことだと思います。
その中でも、医療機関の人々や社会を良くしていくために最善を尽くしている方々がおられます。感謝しつつ、一人ひとりがそれぞれの環境にあって努力していくことが必要だと思っています。
新島学園も、学校の教育活動を絶やさないように頑張って参りますので、ご協力よろしく御願いいたします。
