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試練の後には…

新島学園中学校・高等学校 校長 古畑晶


民数記 21章4節~9節 青銅の蛇

 『彼らはホル山を旅立ち、エドムの領土を迂回し、葦の海の道を通って行った。しかし、民は途中で耐えきれなくなって、神とモーセに逆らって言った。「なぜ、我々をエジプトから導き上ったのですか。荒れ野で死なせるためですか。パンも水もなく、こんな粗末な食べ物では、気力も失せてしまいます。」主は炎の蛇を民に向かって送られた。蛇は民をかみ、イスラエルの民の中から多くの死者が出た。民はモーセのもとに来て言った。「わたしたちは主とあなたを非難して、罪を犯しました。主に祈って、わたしたちから蛇を取り除いてください。」モーセは民のために主に祈った。主はモーセに言われた。「あなたは炎の蛇を造り、旗竿の先に掲げよ。蛇にかまれた者がそれを見上げれば、命を得る。」モーセは青銅でひとつの蛇を造り、旗竿の先に掲げた。蛇が人をかんでも、その人が青銅の蛇を仰ぐと、命を得た。』

 同窓生の皆様、お元気ですか。同窓会報「根笹」の発刊の時期になりました。この2年間、コロナ不安のためにみなさまとお会いすることが出来ず残念に思っておりましたが、ようやく少しずつ日常を取り戻しつつあります。一日も早く、みなさまとお会いできるのを楽しみにしております。


 冒頭の聖書の箇所は、旧約聖書においてイスラエルの民がエジプトを脱出し、荒野で40年の旅をしている最中の出来事です。長い旅において疲れ果て、恵みをたくさんいただいているにもかかわらず、神や指導者に不満をもらすイスラエルの民でした。わたしたちも、長い人生において、良いことも悪いことも経験してきました。どちらかというと悪いことに目が向いて、良いことは当たり前になってきてしまいます。不満が満ちてくるというのが人ではないでしょうか。神からの恵みに感謝せず、人としての不満があふれてくるのです。

 そんなとき、更なる試練が与えられるということを示唆しているように思われます。イスラエルの民に、炎の蛇が与えられたように、わたしたちにコロナウイルスが与えられたような気がします。いつまでたっても、コロナ不安から解放されません。聖書にあるように、わたしたちもその病にとらわれて一喜一憂するのではなく、イスラエルの民が旗竿の先に掲げた青銅の蛇を仰ぎ見て命を得たことを覚えます。神が、必ずこの危機を克服させてくださり、良き方向へと導いてくださると信じています。もう少しの我慢と前向きな姿勢の向こうに、より良い未来が待っているような気がします。


 コロナ不安はまだまだ続きますが、新島学園も少しずつ日常の営みに戻りつつあります。3月には、3学年の研修旅行や修学旅行が行われました。4月には、中学の史跡巡りが3年ぶりに3学年そろって行われました。

 スポーツの大会や文化祭の大会も制限はあるものの通常に近い形で行われました。どのクラブも頑張りました。特に、男子ソフトボール部、男子バスケットボール部、女子陸上競技部、新体操では全国大会に出場することができました。中学演劇部も頑張りました。2022関東中学校演劇コンクール(中学演劇の関東大会)で金賞を受賞し、関東代表として全国中学校総合文化祭福岡大会(全国大会)に出場しました。

 昨年は、校内のWi-Fi環境が整備され各教室に電子黒板機能を持った大型モニターが設置されました。今年は、4学年の生徒一人ひとりにタブレット端末を購入していただきました。生徒たちが有効に使用出来るように、先生方の研修も進んでおります。

 例年、夏にはエンパワープログラムが行われていましたが、海外の留学生が参加できなくなり、通常の形では行うことが難しくなりました。このプログラムは、優秀な海外留学生が一人ずつついて、小グループの生徒たちとディスカッションをするのです。海外経験のない生徒たちも、この経験を通して海外に興味関心を持つようになります。今年は、中学3年生、高校1年生が全員参加という形で、日本在住の外国人留学生が参加して、各学年2日間の日程でTwo-day Empower Programが行われました。

 最後に、英語部を中心として行われたディベート大会のための練習についてお話します。ディベートは、ひとつの論題に対して肯定側と否定側に分かれます。肯定側は、自分の意見にかかわらず徹底的に肯定します。また否定側は、徹底的に否定します。内容を詳しく調べて相手を論破していく競技であり、学校対抗で行われます。授業でも取り入れられています。今年も、これから県大会やブロック大会が行われ、その先には全国大会が行われます。昨年は、惜しくも県大会を突破することができませんでした。

 今年は、キース・イチナガ先生の指導の下、事前の練習を全国の高校に呼びかけて、Zoomによるオンライン形式で行われました。新島学園主催の練習会において、福岡・岩手・茨城・新潟・福井・高知・山形・本校の8校が、2校ずつに分かれ対抗戦で4試合が行われました。論題は、本大会で行われるThe Japanese Government should abolish the mandatory retirement age systems.(日本政府は定年制を廃止すべきである。是か非か。)です。

 ディベートの練習を通して、お互いに意見の交換をするなど、生徒同士の良い交流ができました。各学校とも、本大会で実力を発揮していただきたいと思います。

中学校史跡巡り/関東中学校演劇コンクール金賞(演劇部)/県大会初優勝(男子バスケットボール部)


 このように、今までの活動を元に戻していくと同時に、新しいツールを用いた新しい形の学びを新島学園でも取り入れていきたいと思っております。同窓会のみなさまにも大変お世話になりますが、ご協力ご支援をよろしくお願いいたします。


新島同窓会報「根笹」

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